シラバス(詳細)

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2024年度
科目名 法社会の基礎(日本国憲法を含む) 科目コード 1182 単位数 2
担当者名 種田 健一郎 開講セメスター 第5セメスター 開講年次 3年次
授業の方法 講義 到達目標 B,F 実務経験 無 
ナンバリング DLa505 ※DP(ディプロマポリシー)と到達目標の関連性については、カリキュラムマップ(商学科観光産業学科)参照
授業のねらい
皆さんはコロナ禍における緊急事態宣言や同性婚訴訟、政治家演説に対するヤジ排除訴訟、強制避妊手術訴訟など近年、社会問題として取り上げられるニュースに興味がありますか?これらは国家による人権侵害という点で共通のテーマを有します。そしてこのテーマは憲法と密接な関係があります。またここ数年、憲法改正も議論されています。
これらを視野に入れながら、講義では、具体的事例を通して憲法、法や裁判の基本的知識や役割等を学習します。
これらを通じ社会生活の中で起こる諸問題を憲法や法に基づいて自ら解明し、解決の道筋を提示できること、憲法改正議論について自身の意見を表明できることをねらいとしています。

到達目標
・法律、裁判に関心をもち、これらについて基礎的な知識をもつ。
・立憲主義的憲法の意味や役割、機能を理解し説明できる。
・日本国憲法における基本的人権の意味を理解し説明できる。
・現代社会における諸問題を憲法的視点から検討できる。
・憲法改正議論や、様々な法律問題について自己の考えをもち、検討できる。
授業内容
1週目 講義を始めるにあたって 〜履修上の注意や講義全体のIntroduction〜
●人権制限と憲法の関係を概観します。●差別ってなんだ?
2週目 【憲法とはどのような「法」か】●憲法の構造 ●基本的人権の構造
3週目 【精神的自由権(1)】●思想・良心/学問の自由など
4週目 【精神的自由権(2)】●表現の自由とその規制 ●SNS規制強化の是非
5週目 【憲法13条と新しい人権(プライバシーの権利など)】
●捜査機関がDNA型データベースを構築運用することは許されるか?
6週目 【社会権(1)】健康で文化的な最低限度の生活(生存権)
●難病・障害を持つ人や高齢者が要請した介護サービスの適切な程度(金額)を下回る、行政の支給決定は許される?
7週目 【社会権(2)】
●教育を受ける権利など
8週目 【差別と区別と憲法と】
○○国人は○○禁止(例えば入国や入学)の措置は許される?
9週目 【憲法と訴訟論(1)】
●日本の裁判制度と諸原則 ●司法権の概観
10週目 【憲法と訴訟(2)】〜結局、人権が侵害された場合はどうなるのか〜
●日本の違憲審査制度 ●具体的な憲法裁判
11週目 【日本国憲法の統治のしくみ】 〜国会中継を見て絶望しないために〜
●国会・内閣の基礎知識 ●内閣による憲法「解釈」の変更は許される?
12週目 【憲法と選挙(制度)】〜国会中継を見て絶望した人のために〜
●インターネット選挙運動は許される? ●世代別選挙区制は許される?
13週目 【地方自治と憲法】(予定)
●地方自治の本旨の意味/●条例制定権の範囲
14週目 【平和主義】 
●平和憲法の歩み・集団的自衛権を考える ●憲法9条について
15週目 ●憲法改正の議論とその限界 
16週目 やむを得ず、15週目までの授業内容を実施出来なかった場合は、補講授業を行います。
準備学修(予習・復習)の具体的な内容及びそれに必要な時間
【予習】LMSに各回講義内容に関連する資料/課題をUPする。これらに取り組む(30m)
【復習】配布レジメや資料をノートにまとめる。課題が提示された場合はそれに取り組む(90m)
*ノート作成は、試験対策も兼ねているのです。かなりの情報量からピンポイントで正しい情報−つまり正答ですが−を探す作業は大変なものです。
*各回講義受講後に、LMSを利用した「リアクションペーパー」を送信。記載内容は質問・感想など基本的に自由です。
*詳細は講義で説明します
成績評価の方法・基準
【評価方法】
・原則として期末試験(100点)。全ての配付資料等の参照を認めます。
・受講生の希望によっては、中間試験・レポート・その他を実施します。
【評価基準】
・50点以上を合格とします。
・成績の評価は、8週以上授業に出席した学生を対象とします
・詳しくは講義で説明します。
履修上の留意点
【基本的な留意事項】
・様々な社会問題に対して、分析し解決方法などを考えることに興味関心の無い方にとって、この講義はおそらく苦行か拷問以外のなにものでもありません。
・講義では身近な社会問題を題材する予定です。例えば、SNS上での名誉毀損、炎上・差別問題など。積極的な参加を期待しています。
・講義内容については重要判例が出た場合や、受講生の興味関心により変更される場合があります。
・どのような講義形態となっても講義期間中は講義アーカイブ動画を配信します。
・講義情報は、LMSをメインとして発信します。
・詳しくは講義で説明します。
課題に対するフィードバックの方法
定期試験・課題等のフィードバックはLMS上で行います。
質問はいつでも対応します。重要な質問・意見に対する回答は講義中に行う予定です。質問等は講義で利用する全てのプラットフォームを利用して行うことができます。
一般的な回答は講義の実施形態にかかわらず、フィードバック動画を作成しUPします。詳しくは講義で説明します。
テキスト
特になし。
参考書
中村睦男編著『はじめての憲法学第3版』(三省堂)2600円、松本和彦『事例問題から考える憲法』(有斐閣)2200円