シラバス(詳細)

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2024年度
科目名 商法基礎 科目コード 1179 単位数 2
担当者名 中元 啓司 開講セメスター 第6セメスター 開講年次 3年次
授業の方法 講義 到達目標 B,F 実務経験 無 
ナンバリング DLa602 ※DP(ディプロマポリシー)と到達目標の関連性については、カリキュラムマップ(商学科観光産業学科)参照
授業のねらい
経済活動について法律学(商法・会社法)の視点から考察する訓練を行いかつ学生が主体的に勉強することで、法律的に物事を理解し・考える方法・能力を養成することを授業のねらいとします。
到達目標
学生が、将来、社会に出て経済活動を行う際に、商法や会社法について自分の正しい法律的判断を行うための基礎的能力、すなわち日本語の通常の意味とは異なることがある商法・会社法独特の意味を理解する能力を身に付けることを到達目標とします。
授業内容
1週目 経済活動における商法の役割(民法と商法、商法が適用される場合は?)‐民法から商法へ。商人(会社)・商行為-商法が適用されるのは?シラバスの説明を行いますので、疑問があれば質問してください。テキストを使って、1週目の課題と2週目以降の予習・復習方法・課題(論点)を説明します。
2週目 商号・名板貸し人の責任、商業使用人(支配人等)、商業登記・不実登記の効力。3週目以降は、順序が変わる事があるので、講義に出席していつも確認すること。
3週目 会社って何だろう-企業形態・会社の種類。(テキストを使って座席指定方式で小テストを予定。法人格否認の法理の判例研究は13週に予定。)
4週目 テキスト第3章会社が活動するって‐会社の機関
5週目 テキスト第4章株主総会 総会招集手続き・総会手続きの瑕疵を争う訴え。
6週目 株主総会の議決権の代理行使の可否、株主の議題・議案提案権、少数株主権など(座席指定の小テストを予定)
7週目 テキスト第5章コーポレートガバナンス‐どうすれば会社不祥事を防げるか?
8週目 テキスト第7章もし経営に失敗したら?‐取締役の義務と責任 取締役の地位・善管注意義務・忠実義務等
9週目 テキスト第6章代表取締役が勝手に行った行為の効力と責任-利益相反取引・競業取引と取締役会の承認、株主代表訴訟
10週目 テキスト第7章取締役の第三者に対する責任‐不実登記の効力と関係する判例。(座席指定の小テストを予定)
11週目 テキスト第2章社員と会社員はどう違う?‐株式。および、同第10章株主のなり方、やめ方‐株式譲渡
12週目 テキスト第14章会社を売ったり買われたり‐組織再編 合併・営業譲渡。判例研究(商号続用の有無と事業譲渡など)
13週目 テキスト第8章経営をチェックするのは誰?‐監査 粉飾を防ぐために。法人格否認の法理その他の判例研究
14週目 テキスト第12章儲けはどうやって計算する?‐貸借対照表と損益計算書(小テスト)。その他の判例研究。会社設立に関して民法の知識欠如を利用した詐欺事例
15週目 テキスト15章隣接分野。総合問題。受講生の自主的な課題研究報告の個別発表
16週目 学会出張等での休講があった時の予備日
準備学修(予習・復習)の具体的な内容及びそれに必要な時間
1週目の講義に、テキストを持参して、必ず出席して下さい。本年度も、欠席者は各週の課題(授業内容の項目)報告を作成し、指定日(次週の講義日)に提出してもらいます。予習は、上記各週の授業内容でどこまで理解できてどこが理解できないかを見極わめるのに90分はかけてほしい。復習は、疑問点が確認・理解できたこと等に30分程度かけてほしい。最初の講義の中で詳しく説明します。
成績評価の方法・基準
自主的な課題報告と小テストの評価を中心に成績を決定します。欠席者は、予習と復習の成果を後日(次週の講義日に)提出してもらいます。自主的な課題報告や私の質問に対する解答や発言など、授業での積極的自己表現、および小テストやレポートなどの成績・評価点の総合計点数で評価します。
履修上の留意点
下記テキストを購入して、疑問点をメモし、調べる癖をつけて欲しい。小テストの時間は、学籍番号順に指定席に着席してもらいます。受講生の希望により、6週目以降は論点の変更や順序が変わることを了解して受講してください。なお、民法の基礎を履修した後で、この科目を履修すると理解が容易と思います。
課題に対するフィードバックの方法
課題報告・小テストについては、1週目の講義で説明します。誤解しやすいところは特に丁寧に解説します。なお過去には、優秀答案作成者にその答案を読み上げてもらい、他の学生の論理的文章構成力を向上させる機会を提供した。
テキスト
柳明昌(編)『プレステップ会社法』弘文堂(1800円プラス税)2019年1月。その後の会社法改正等を踏まえた版が出れば、その改正を踏まえた新版を購入してください。
参考書
資料(商法・会社法の知識や判例を理解しやすいもの)を配布します。なお、奥島孝康『会社法の基礎−事件に学ぶ会社法入門』(日本評論社、1994年)を読むと、なぜこの社会で商事事件が起こるのかを皆さんは容易に理解できるようになるでしょう。ただいま絶版中なので、図書館で読むか、興味のある人には私が貸与します。図書館で読んでほしい参考書として、三浦治著『基本テキスト 会社法』第3版(中央経済社、2022年)もある。