シラバス（詳細）

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2024年度
科目名 近代社会と倫理学A 科目コード 1118 単位数 3
担当者名 麻生　尚志 開講セメスター 第1セメスター 開講年次 1年次
授業の方法 講義 到達目標 B 実務経験 無　
ナンバリング BPh103 ※DP（ディプロマポリシー）と到達目標の関連性については、カリキュラムマップ（商学科・観光産業学科）参照
授業のねらい
この講義では、近代社会の生成とその変容という歴史的事態を、同時代の倫理学者がどのように考えたのかを紹介していきます。これを通じて、基本的な倫理学説を学習すると共に、倫理学説を用いた倫理問題の分析手法を習得する。講義は大まかに3パートに分かれます。序盤は、カント倫理学を中心とした基本的な倫理学説を取りあげます。それによって西洋的な「理性」が確立されたことを確認します。中盤は、しかし、第2次大戦でそのカントを産んだドイツがナチスという悲劇を生み出したことを受け、アドルノ、アーレント、ハーバーマスといった哲学者がどのようにそうした理性の限界を問題としたかを取りあげます。終盤は、商業・産業の発展の中で生じた現代の社会問題に対応すべく登場した、応用倫理学の諸議論を取りあげます。
到達目標
近代社会の生成に伴って提案された基本的な倫理学説を理解し、これを通じて現代社会でどのような倫理問題が生じているかを理解する。その中で、学習した倫理学理論を用いて、現代の倫理問題を分析できるようになる。
授業内容
1週目 導入：近代社会の誕生と倫理
2週目 カント『道徳形而上学原論』（１）
3週目 カント『道徳形而上学原論』（２）
4週目 カント：「永遠平和のために」「啓蒙とは何か」
5週目 中間まとめ＋試験��
6週目 ドイツの理性とナチスの蛮行、力への意志、パウル・ツェラン
7週目 アドルノとホルクハイマー『啓蒙の弁証法』
8週目 アーレント『エルサレムのアイヒマン』アーレント『責任と判断』
9週目 ハーバーマス『討議倫理学』
10週目 中間まとめ＋試験��
11週目 第二次世界大戦後の世界、アメリカ的人間観
12週目 現代の倫理問題：環境倫理、サステイナブルとはなにか
13週目 現代の倫理問題：生命倫理、優生思想の悪魔的復活
14週目 現代の倫理問題：企業倫理、なにをすることがゆるされるのか
15週目 まとめ＋試験��
16週目 試験��を受けられなかった人のための予備日です
準備学修（予習・復習）の具体的な内容及びそれに必要な時間
毎回次回のおおまかな予告のプリントをお渡ししますので、専門用語などについて簡単に調べておいてください。（３０分の予習）。また、講義後は、講義した内容について友達と議論をしたり、自分であれこれ「別のようにも考えられる」など熟考してください。また、質問への回答プリントを参考に、「さらに深く理解する」こともしてください。（１時間半の復習）
成績評価の方法・基準
全3回の試験で評価します。第1回30点、第2回30点、第3回40点です。各試験の受験資格は、それまでの出席が3分の2以上あることです。
履修上の留意点
進行状況に応じて講義計画を変更する場合があります。各回の内容は相互に関連しています。その都度関連を把握しながら検討を進めるので、学習した内容を随時復習して議論の流れを見失わないようにしてください。
課題に対するフィードバックの方法
テストを採点してコメントを入れて返却します。また、各回に質問用紙を配布しますので、それに質問を書いてくだされば、次回にそれへの回答をプリントにして配布します。
テキスト
資料を配布します。適宜参考文献を紹介します。
参考書
参考文献は、順次授業で紹介します。