シラバス(詳細)

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2022年度
科目名 東アジアの動きB 科目コード 1127 単位数 3
担当者名 舛田 佳弘 開講セメスター 第2セメスター 開講年次 1年次
授業の方法 講義 到達目標 実務経験 無 
ナンバリング ※DP(ディプロマポリシー)と到達目標の関連性については、カリキュラムマップ(商学科観光産業学科)参照
授業のねらい
 アジアにおける近年の目覚ましい経済的発展のプロセスとメカニズムについて、それを可能にした国内外の条件を考えながら、主に経済学の視点から説明します。「東アジアの動きA」で扱った内容に加え、より理論的な背景から掘り下げていきます。そのため、数学的な表現も少し増えますが、それらは多くの現象についてより多様な視点からアプローチできるようにするための道具ですので、あきらめずに頑張ってください。アジアや世界、日本の現状や将来について、メディア等からの借り物ではなく、自身の考えを持ちたいという人の履修を歓迎します。
到達目標
1.東アジア各国の歴史的経緯を理解する。
2.地域としての東アジアの相互関係を理解する。
3.経済・社会について学術的背景を持って説明できる。
これらの目標を達成することで、国際社会における生活慣習や環境の相違に基づく多様な価値観や世界観の存在を理解できるようにする。
授業内容
1週目 ガイダンス:前期の振り返り
2週目 戦後の日米中関係と超大国のヘゲモニー(1)
      :日本の戦後復興と冷戦体制
3週目 戦後の日米中関係と超大国のヘゲモニー(2)
      :社会主義経済の行き詰まりと中国の改革開放
4週目 戦後の日米中関係と超大国のヘゲモニー(3)
      :中国の改革開放と日米中関係の新たな展開
5週目 経済のグローバル化と東アジア(1)
      :グローバル資本主義の展開とアジア金融危機
6週目 経済のグローバル化と東アジア(2)
      :保護貿易と地域貿易協定
7週目 経済のグローバル化と東アジア(3)
      :TPPの効果と労働力移動、産業間貿易
8週目 国際政治経済学のディシプリン(1)
      :(新)古典派経済学―ミクロ経済学―
9週目 国際政治経済学のディシプリン(2)
      :マルクス経済学と帝国主義論
10週目 国際政治経済学のディシプリン(3)
      :ケインズ経済学、構造主義経済学、従属論
11週目 東南アジアの独立と経済成長
12週目 社会における政府の役割―経済開発の新展開―

13週目 戦略的関係としての国際経済―ゲーム理論の視点から―
14週目 近年の新たなヘゲモニー(1)―中ロ関係と一帯一路、そして米中貿易戦争―
15週目 近年の新たなヘゲモニー(2)―国家資本主義と開発主義―
期末試験
16週目 期末試験の問題解説(但し、やむを得ず、15週目までの授業内容を実施できなかった場合は、補講授業を行う。)
準備学修(予習・復習)の具体的な内容及びそれに必要な時間
 毎回の授業では、理解しやすいようレジュメ(スライド資料など)を配布します。適宜講義後に小テストやレポートを提出してもらいます(3回に1回程度)。
 予習としては、講義終了時に次回のテーマを挙げますので、各人で関連する内容を調べて整理しておいて下さい。復習は講義資料に基づいてわからなかった語句や事例を自分で調べるようにしましょう。内容や各人の関心にもよりますが、予習・復習それぞれ三時間程度を目安として下さい。
成績評価の方法・基準
 講義後の小テスト及びレポート(コースパワーに提出)70%。学期末試験の成績30%。適宜(全体で4回程度)小テスト及び1000字ほどの小レポートを提出してもらいます。学期末テストは論述式を主とし、配布資料及び自筆ノートの持ち込み可(その分難易度は高めです)。なお、3分の2以上の出席が満たされない場合、受験は認められません。
履修上の留意点
 わからなかったところ、疑問を感じた部分はコースパワーを利用して積極的に質問するようにしてください(良い質問には加点します)。ただし、自分で調べればわかることや根拠のない持説、単なる感想などは評価の対象としません。
 期末試験は理解度を測る問題が中心になるので、配布した資料の内容を書き写すだけでは解答と認められません。講義中の説明をノートに取るなどして、できるだけ当日中に復習することを勧めます。
課題に対するフィードバックの方法
 小テストやレポートについてはコースパワー上で評価を掲示し、次回講義時に講評を行います。自分で書いた内容について良く考えておいてください。評価等詳細については個別に質問に来てもらえれば説明します。
 期末試験については試験後に解説を行いますが、個別の質問も受け付けます。
テキスト
特になし。参考資料を配布します。
参考書
・三重野文晴/深川由起子 編著『現代東アジア経済論』ミネルヴァ書房、2017
・アビジット・バナジー/エステル・デュフロ『絶望を希望に変える経済学』日本経済新聞出版、2020
・イアン・ブレマー『自由市場の終焉』日本経済新聞出版社、2011
他、適宜紹介しますが、皆さんからも要望があれば提案してください。