シラバス(詳細)

印刷する
2022年度
科目名 日本近代とアジアB 科目コード 1125 単位数 3
担当者名 舛田 佳弘 開講セメスター 第2セメスター 開講年次 1年次
授業の方法 講義 到達目標 実務経験 無 
ナンバリング ※DP(ディプロマポリシー)と到達目標の関連性については、カリキュラムマップ(商学科観光産業学科)参照
授業のねらい
 本講義は、高校の日本史よりも広く深い全体像として日本近現代史を捉えられるようになることを目的とします。そのために近代日本の成り立ちを理解する上で必要となる幾つかのテーマについて紹介し、現代へとつながる社会・経済的変遷について、通説とそれに対する疑問点を探っていきます。後期は第二次大戦終結から現在までを対象として、主に経済学的視点から話を進めます。数学的表現も用いますが、ほとんどは義務教育の範囲内で、それを超える内容については講義中に説明しますので、数学に苦手意識がある人もあきらめないで挑戦してみてください。
 最近は、歴史認識などをめぐる周辺アジア諸国との軋轢の報道に多く接する機会があると思われます。雑多な情報にまどわされずに、自分自身で考える力を養ってもらいたいと希望します。
到達目標
1.日本近現代史に関する基礎知識について理解する。
2.近現代の日本の発展を諸外国との関係の中で理解する。
3.日本近現代史に関する諸学説や資料をもとに、論理的に分析し、説明することができる。
これらの目標を達成することで、国際社会における生活慣習や環境の相違に基づく多様な価値観や世界観の存在を理解できるようにする。
授業内容
1週目 ガイダンスと前期の復習
2週目 戦後日本の経済的状況―傾斜生産方式と日本の経済計画―
3週目 高度経済成長と世界経済への再統合(1)国際通貨制度と為替レート
4週目 高度経済成長と世界経済への再統合(2)財政・金融政策と為替の関係
5週目 アジア諸国の独立と戦後日本
6週目 国民所得の考え方と景気循環
7週目 国際収支と貿易政策
8週目 社会主義の崩壊と移行経済
9週目 バブル経済とその崩壊 
10週目 国際資本移動と通貨危機
11週目 経済成長と発展
12週目 グローバリゼーションとアジアの貿易関係
13週目 新興経済(中国・インド)の躍進と米中対立
14週目 近年の日本経済−アベノミクスを振り返って−
15週目 日本とアジア―課題と展望―
期末試験
16週目 期末試験問題の解説(但し、やむを得ず、15週目までの授業内容を実施できなかった場合は、補講授業を行う。)
準備学修(予習・復習)の具体的な内容及びそれに必要な時間
 毎回の授業では、理解しやすいようレジュメ(スライド資料など)を配布します。適宜講義後に小テストやレポートを提出してもらいます(3回に1回程度)。
 予習としては、講義終了時に次回のテーマを挙げますので、各人で関連する内容を調べて整理しておいて下さい。復習は講義資料に基づいてわからなかった語句や事例を自分で調べるようにしましょう。内容や各人の関心にもよりますが、予習・復習それぞれ三時間程度を目安として下さい。
成績評価の方法・基準
 講義後の小テスト及びレポート(コースパワーに提出)70%。学期末試験の成績30%。適宜(全体で4回程度)小テスト及び1000字ほどの小レポートを提出してもらいます。学期末テストは論述式を主とし、配布資料及び自筆ノートの持ち込み可(その分難易度は高めです)。なお、3分の2以上の出席が満たされない場合、受験は認められません。
履修上の留意点
 わからなかったところ、疑問を感じた部分はコースパワーを利用して積極的に質問するようにしてください(良い質問には加点します)。ただし、自分で調べればわかることや根拠のない持説、単なる感想などは評価の対象としません。
 期末試験は理解度を測る問題が中心になるので、配布した資料の内容を書き写すだけでは解答と認められません。講義中の説明をノートに取るなどして、できるだけ当日中に復習することを勧めます。
課題に対するフィードバックの方法
 小テストやレポートについてはコースパワー上で評価を掲示し、次回講義時に講評を行います。自分で書いた内容について良く考えておいてください。評価等詳細については個別に質問に来てもらえれば説明します。
 期末試験については試験後に解説を行いますが、個別の質問も受け付けます。
テキスト
とくになし。参考資料を配布します。
参考書
・三橋規宏/内田茂男/池田吉紀『新・日本経済入門』日本経済出版社2015
・三重野文晴/深川由起子 編著『現代東アジア経済論』ミネルヴァ書房、2017
・遠藤環/伊藤亜聖/大泉啓一郎/後藤健太 編『現代アジア経済論』岩波新書、2018年
・三谷太一郎『日本の近代とは何であったか』岩波新書、2017年
このほか毎回の講義で関連する文献を紹介することもあります。