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2019年度
科目名 近代社会と倫理学A 科目コード 1118 単位数 3
担当者名 横田 榮一 開講セメスター 第1セメスター 開講年次 1年次
授業の方法 到達目標 実務経験  
ナンバリング ※DP(ディプロマポリシー)と到達目標の関連性については、カリキュラムマップ(商学科観光産業学科)参照
授業のねらい
本講義では、近代社会の生成とその変容という歴史的事態を視野に収めながら、まずカント倫理学を取り上げ、時代の文脈の中でのカント倫理学・道徳哲学の意味を考えつつ、近代の市民的公共性についての意義を見る。ついで、1929年以後の世恐慌後の社会的動乱の中で生じた事態をアドルノ、アーレントといった哲学者がどのように理解したかを見る。最後に、商業・産業の発展の中で自然破壊が進行したが、この事態を背景として現代に生じた環境倫理学・生命倫理学を講述する。総じて、社会の変容と倫理学との間の深い関係性に焦点を当てる。
到達目標
近代社会の形成に伴って生じた基本的な倫理学説を理解し、これを基礎にして現代社会においてどのような倫理的問題が生じているかを理解するとともに、世界が突きつけてくる諸問題に倫理学的な視覚からアプローチする目を養う。
授業内容
1週目 近代の夜明け
2週目 市民的公共圏(ハーバーマスの議論)
3週目 カントの道徳哲学(1)(道徳法則と定言命法)

4週目 カントの道徳哲学(2)(英知界と感性界)
5週目 カントの道徳哲学と近代の市民的公共圏+試験
6週目 近代社会の変容(二つの世界大戦と戦後福祉国家)
7週目 近代への反省(フランクフルト学派と啓蒙の弁証法)
8週目 アーレントの人類の理念
9週目 討議倫理学(システムと生活世界)
10週目 全体主義(アーレントの議論)+試験
11週目 二次世界大戦後の世界
12週目 環境破壊・環境倫理学の登場
13週目 レオポールの土地倫理
14週目 生命中心主義の倫理学
15週目 人間と自然の関係+試験
16週目 まとめ 倫理とは何か
準備学修(予習・復習)の具体的な内容及びそれに必要な時間
その都度、CoursePowerに資料を入れておくので、講義前に目を通し、そこに出てくる学術タームの意味を、講義中に解説するが、予め自分で調べておくこと。また講義後は、自分のノートと資料を参考にして、講義内容を、講義展開の論理的なつながりに注意して、800字をめどにまとめておくこと。
成績評価の方法・基準
試験を3回課す。各30点、30点、40点とし、全体で100点として評価する。なお、出席を重視し、出席三分の二以上を評価の必要とする。
履修上の留意点
教科科目に関係する新聞記事や報道番組に注意して、それを見るように努め、その内容をノートにとっておくこと。
課題に対するフィードバックの方法
テキスト
CoursePower上で、適宜紹介する。
参考書
坂井昭宏・柏葉武秀『現代倫理学』(2007)ナカニシヤ出版