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2020年度
科目名 観光環境論特殊講義 科目コード 8022 単位数 2
担当者名 田辺 隆司 開講時期 1後 開講年次 1年次
授業の到達目標及びテーマ
(1)地球環境問題や高齢化が深刻化している21世紀社会を背景として、国民のQOL(生活の質)向上に寄与する観光形態のあり方を理解できるようになる。(2)院生個々人が観光地のあるべき姿について独創的な意見を持つことができるようになる。(3)当科目のテーマである「持続可能な観光形態の創造」について自分の考えをもつことができるようになる。
授業の概要
 日本では余暇時間の増加とともに観光道路の延伸、ゴルフ場やスキー場の造成が環境破壊を引き起こしました。また、観光地におけるゴミの増加や高山植物の盗掘など、観光客のマナー問題も起きています。一方、国外では都市・地域開発などにより、世界遺産の中には環境破壊が進み「危機遺産リスト」に登録された遺産もあります。一度破壊された自然や生態系を修復するのは容易ではありません。そこで、環境保全の実態や課題及び持続的開発について学習します。これらを習得することによって、国土開発と環境保全とのバランス感覚を身につけます。
授業計画
1週目 観光地開発の歴史−総合保養地域整備法(リゾート法)の功罪−
2週目 観光地開発の歴史[磐梯山周辺]−リゾート法と会津フレッシュリゾート計画−
3週目 観光地開発の歴史[富士山]−霊峰から観光地への変遷、世界文化遺産への道程−
4週目 観光地開発の歴史[屋久島]−過伐採との決別、世界自然遺産への道程−
5週目 観光地開発の歴史[白神山地]−核心地域の入山規制、世界自然遺産への道程−
6週目 観光地開発の歴史[尾瀬]−自然保護運動の原点、エコツーリズムのメッカ−
7週目 観光地開発の歴史[知床半島]−野生動物との共存の難しさ、世界自然遺産への道程−
8週目 観光地開発の歴史[小笠原諸島]−空港建設問題の現在と展望、世界自然遺産への道程− +定期試験、レポート
9週目 観光地開発の歴史[ガラパゴス諸島]−世界自然遺産第1号、危機遺産への転落−
10週目 地域ブランドの創造−観光地のブランド化が求められる背景−
11週目 地域ブランドの創造−地域ブランドによる付加価値アップ、地域団体商標制度−
12週目 地域ブランドの創造[黒川温泉(熊本県)]−明確な地域コンセプトによる温泉街全域の価値のアップ−
13週目 地域ブランドの創造[東村(沖縄県)]−強力なリーダーシップの必要性、見過ごされていた地域資源の発掘−
14週目 地域ブランドの創造[小布施町(長野県)]−歴史を活かした修景事業、地域そのものを磨く−
15週目 地域ブランドの創造−地域資源によるストーリーや世界観の形成− +定期試験、レポート
16週目 全体の補足説明、定期試験とレポートのフィードバック(添削・返却、講評)を行います。但し、やむを得ず、15週目までの授業内容を実施できなかった場合は、補講授業を行います。
テキスト
・授業時に自作の教材(プリント)を配布します。
参考書・参考資料等
・田辺隆司『地方行政の環境政策手法と観光資源マネジメント』(HINAS)2,800円
・佐々木一成『地域ブランドと魅力あるまちづくり 産業振興・地域おこしの新しいかたち』(学芸出版社)2,800円
成績評価の方法・基準
・成績評価は70%以上授業に出席した履修者を対象とし、2回の定期試験とレポートの結果で判定します。
・成績評価に当たっては、受講態度も考慮して判定することがあります。