シラバス詳細
シラバス(詳細)
2025年度 |
科目名 | 経済理論B | 科目コード | 1160 | 単位数 | 2 |
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担当者名 | 深澤 史樹 | 開講セメスター | 第6セメスター | 開講年次 | 3年次 |
授業の方法 | 講義 | 到達目標 | B,F | 実務経験 | 無 |
ナンバリング | DEc604 | ※DP(ディプロマポリシー)と到達目標の関連性については、カリキュラムマップ(商学科・観光産業学科)参照 |
- 授業のねらい
- 本講義においては、ケインズ・モデルおよびIS-LMモデルをすでに理解していることを前提に講義を進めます。主な内容は、インフレーションの動学、オープン・マクロ理論、成長理論、景気循環理論、マクロ経済政策の有効性などを取り上げます。このような多角的な経済学的アプローチを通して、とりわけ、わが国の経済成長に関わる課題解決への論理的な経路を自ら発見することをねらいとしています。
- 到達目標
- ・日常の経済ニュースを、種々の経済モデルに関連づけて考えることができる。
・外生変数や与件の変動が理論的帰結にどう影響するかを概ね洞察できる。
・モデルの結論と現実の事象の不一致が生じる理由を推測できる。 - 授業内容
- 1週目 ガイダンス:授業形態や出欠確認方法、課題の提出など受講に関するルールと科学としてのマクロ経済学について説明する。
2週目 マクロ経済学のデータ:マクロ経済学において重要な諸データ、とりわけGDP、消費者物価指数、失業率に重点をおきながら説明する。
3週目 国民所得:国民所得の基本的な古典派モデルを示しながら、生産要素と生産技術が所得水準を決定し、各生産要素の限界生産力が所得分配を決定する仕組みを説明する。さらに、財政政策がどのように消費、投資、政府購入間の資源配分に影響を与えるかについても説明する。
4週目 貨幣システム:貨幣システムと金融政策の諸手段を検討する。
5週目 インフレーション:金融政策の効果を説明する。諸価格は完全に可変的であると仮定して、古典派貨幣理論の重要な考え方を説明する。具体的には、貨幣数量説、インフレ税、フィッシャー効果やインフレーションの社会的コスト、ハイパーインフレ―ションの原因とコストの関係ついて説明する。
6週目 開放経済:貿易収支と為替レートを説明するモデルを提示する。その上で、財政赤字と貿易赤字との関係、保護主義的な貿易政策のマクロ経済への影響、金融政策と外国為替市場における通貨価値への影響について説明する。
7週目 失業と労働市場:失業の諸原因として、職探し、最低賃金法、労働組合の交渉力、効率賃金などについて説明する。さらに、失業のパターンについて説明する。
8週目 ここまでのまとめと中間試験
9週目 景気変動へのイントロダクション:景気循環理論について説明する。価格が硬直的であるような短期の経済について説明する。
10週目 総需要Ⅰ:ケインジアンの交差図と流動性選好理論を提示し、それらのモデルをパーツとして用いて、IS-LMモデルの構築について説明する。
11週目 総需要Ⅱ:IS-LMモデルを用いて、経済変動と総需要曲線を説明する。
12週目 開放経済再訪:マンデル=フレミング・モデルを提示して、変動相場制と固定相場制の下での財政・金融政策の効果について説明する。
13週目 総供給およびインフレーションと失業の短期的トレードオフ:総供給について説明する。短期の総供給関数を検討し、インフレ―ションと失業との間の短期的なトレードオフについて説明する。
14週目 マクロ経済学に関連したトピックスを紹介している動画を視聴し、理論分析と実証分析の違いについて考察し、議論する。
15週目 ここまでのまとめと期末試験
16週目 中間・期末試験の講評、再試験等の実施。ただし、やむを得ず15週目までの授業内容を実施できなかった場合は、補講授業を行う。 - 準備学修(予習・復習)の具体的な内容及びそれに必要な時間
- ・予習と復習は基本的にテキストを熟読し、併せてLMSで配信する当日の講義内容を収録したオンデマンド動画教材を視聴して理解を深めること。
・予習:毎回授業で指示された箇所を予め熟読し、LMSで配信するオンデマンド動画教材に目を通しておくこと。(所要時間:90分程度)
・復習:LMSで配信するオンデマンド動画教材を視聴し、課された課題についてはLMSを通して提出すること。(所要時間:90分程度) - 成績評価の方法・基準
- ・成績は、中間試験および期末試験の2回の試験結果(各100点満点)の平均点を基本とする。さらに課題の提出状況を加味することがある。
- 履修上の留意点
- ・第1週目のガイダンスは、講義の重要な説明をしますので、必ず出席して下さい。
・成績評価は、11週以上授業に出席した学生を対象とする。 - 課題に対するフィードバックの方法
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・提出された課題の解答は、講義内(講義を収録した動画をLMS上へアップロード)で解説します。
・中間試験と期末試験の結果については、LMSを通じてフィードバックします。 - テキスト
- N・グレゴリー・マンキュー(著),足立英之(他訳),『マンキュー マクロ経済学Ⅰ(第5版)入門篇』(東洋経済新報社),2024年, 4,400円(税込)
- 参考書
- ダロン・アセモグル,デヴィッド・レイブソン,ジョン・リスト(著),岩本千晴(訳),『アセモグル/レイブソン/リスト マクロ経済学』(東洋経済新報社),2023年, 3,800円+税