シラバス詳細
シラバス(詳細)
2020年度 |
科目名 | 特殊講義Ⅰ(日ロ関係史) | 科目コード | 1590 | 単位数 | 2 |
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担当者名 | 竹野 学 | 開講セメスター | 第3セメスター | 開講年次 | 2年次 |
授業の方法 | 講義 | 到達目標 | 実務経験 | 無 | |
ナンバリング | ※DP(ディプロマポリシー)と到達目標の関連性については、カリキュラムマップ(商学科・観光産業学科)参照 |
- 授業のねらい
- 本講義の目的は、日本とロシアとの関係がいかなる特質をもち、どのような諸問題を抱えているのかについて学ぶことです。北東アジア情勢を考える時に、ロシアもまた主要プレイヤーの1国であり、かつ北海道に暮らす私たちにとって身近な隣国として無視することのできない存在でもあります。
本講義は、18世紀末に蝦夷地とその周辺で接触を始めた両国が、その後いかなる外交交渉や戦争を展開し、1945年の第二次世界大戦終結によって今に続く領土問題を抱えるに至ったのかを理解することを目的とします。また、18世紀末から1945年の約150年間の両国間関係が集約される形となったのがサハリン島(樺太)や千島列島でした。本講義ではこの両地域についても焦点を当てることにします。 - 到達目標
- 1.日ロ関係に関する基礎的事項について理解できる。
2.日ロ関係を日本国内や世界全体の動向との関係の中で理解できる。
3.日ロ関係に関する資料をもとに、日ロ関係について論理的に分析し、説明することができる。
これらの目標を達成することで、日ロ関係や領土問題の現状を把握し、その課題を解決する道筋を自ら発見するという調査学習を行うことをねらいとする。また、国際社会における生活慣習や環境の相違に基づく多様な価値観や世界観の存在を理解できるようにする。 - 授業内容
- 1週目 ガイダンス――近世における日露の接近
2週目 漂流民と北方探検+関連映像
3週目 日露和親条約と樺太・千島交換条約+関連映像
4週目 朝鮮をめぐる対立と日露戦争 前半
5週目 朝鮮をめぐる対立と日露戦争 後半+関連映像
6週目 第一次世界大戦とロシア革命の時代
7週目 内乱とシベリア出兵+関連映像
8週目 戦間期から日ソ戦争まで
9週目 日ソ戦争の勃発
10週目 樺太・千島での戦闘
11週目 日ソ戦争と冷戦体制の形成+関連映像
12週目 サンフランシスコ平和条約
13週目 日ソ国交交渉
14週目 日ソ交渉の内幕+関連映像
15週目 「北方領土」問題+関連映像
16週目 全体内容に関する期末試験+フィードバック - 準備学修(予習・復習)の具体的な内容及びそれに必要な時間
- 講義受講前にCoursePowerを利用して、講義理解のための補助資料を配付、もしくは内容に関する事前調査事項を提示します。それらによって事前の予習を行い、CoursePowerにて提出してください(所要時間1時間前後)。
また講義の理解のために、配布レジュメの内容を整理し、講義中に提示する様々な参考文献を自主的に読むことで知識を補完しておいてください。週ごとの学習内容についての復習のための確認テストをCoursePowerに提示しますので、必ず毎回受験すること(所要時間1時間前後)。 - 成績評価の方法・基準
- 講義受講前にCoursePowerを利用して提出する予習課題と受講後の確認テスト(計15%)、毎回の出席時に提出するリアクションペーパー(15%)、および内容のまとまりごとに課す複数回の小レポート(30%)、および期末試験(40%)で総合評価します。
なお、開講回数の1/3以上欠席した場合は、それ以降の受講や試験の受験・レポート提出を認めません。また試験の未受験・レポートの未提出のままの場合も同様に扱います。よって単位取得はできなくなります。 - 履修上の留意点
- 各回の講義内容がその次の回以降の内容の前提になっており、欠席すると講義全体の理解が困難になるので、欠席はしないようにしてください。
また、講義中に私語をやめない人、筆記用具を持参していない人など受講態度に欠ける人には退室を命じますので、注意してください。 - 課題に対するフィードバックの方法
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提出課題などに対しては、CoursePowerを利用して全員ないし個人にフィードバックを行います。
- テキスト
- ・外務省編『われらの北方領土 2018年版』本編、資料編、2019年8月(下記URLよりダウンロードしておくこと)
https://www.mofa.go.jp/mofaj/press/pr/pub/pamph/hoppo6.html
・毎回空欄補充式のレジュメを配布します。 - 参考書
- ・麻田雅文『日露近代史――戦争と平和の百年』講談社現代新書、2018年、1,320円
・坂本悠一編『地域のなかの軍隊〈7〉帝国支配の最前線――植民地』吉川弘文館、2015年、3,080円
・木村汎『新版 日露国境交渉史――北方領土返還への道』角川選書、2005年、品切れ
・岩下明裕『北方領土問題――4でも0でも、2でもなく』中公新書、2005年、924円
・北海道新聞社編著『イチから分かる北方領土』北海道新聞社、2019年、880円
・中山大将『歴史総合パートナーズ10 国境は誰のためにある?――境界地域サハリン・樺太』清水書院、2019年、1,100円