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2020年度
科目名 論理と思考B 科目コード 1117 単位数 3
担当者名 横田 榮一 開講セメスター 第2セメスター 開講年次 1年次
授業の方法 講義 到達目標 実務経験 無 
ナンバリング ※DP(ディプロマポリシー)と到達目標の関連性については、カリキュラムマップ(商学科観光産業学科)参照
授業のねらい
本講義は、科学史の素材を投入しながら人間の思考と論理のあり方の解明を目指す。まず、コペルニクス革命を素材に、この革命に際して人間がどのように思考したかを振り返る。これは、コペルニクス革命はアリストテレスなど古代の世界像の変換であったため、異文化理解の一例ともなる。次に、科学哲学を素材にしながら、思考についての思考の問題を論じ、最後に、現代論理学に立ち入って、論理的思考が論理的思考がどのようなものであるかを明らかにする。人間思考の歴史を振り返ることは、自らが何かを考える際に有用な指針を与えてくれるであろう。
到達目標
歴史上人々が自然や社会、総じて世界についてどのように思考してその理論を作り上げてきたかを理解し、それを基礎に自分で世界について思考する基本的姿勢を身につける。論理的な問題については、実践的な問題解決能力を身につけ、コミュニケーションの一形態である討議にとって基礎である論理的思考に習熟する。
授業内容
1週目 知覚と理論・知覚と思考
2週目 T・クーンのパラダイム論・パラダイムとは何か
3週目 パラダイムと実践的能力・問題解決能力
4週目 コペルニクス革命
5週目 通常科学と科学革命+試験
6週目 科学革命における概念変化
7週目 科学的発見とはどんなことか
8週目 通常科学と科学革命
9週目 K・ポパーの科学哲学・反証可能性という概念と批判的合理主義 
10週目 K・ポパーとT・クーンの論争+試験
11週目 19世紀後半における科学の制度化
12週目 G・フレーゲによる現代論理学の形成
13週目 現代論理学の基礎概念と論理的思考の訓練
14週目 カントルの神の数学・集合論と数学基礎論の展開(集合論のパラドクス)
15週目 虚偽推論について+試験
16週目 まとめ 論理とは何か
準備学修(予習・復習)の具体的な内容及びそれに必要な時間
そのつどCoursePowerに資料を入れておくので、講義前に目を通し、学術タームについて、講義中に解説をするが、前もって自分で意味を調べておくこと(2時間の予習)。また、講義後、自分の講義ノートとCoursePowerでの資料を参考にして、講義の展開の論理的なつながりに注意しつつ、その内容を400字をめどにまとめておくこと(1時間の復習)。
成績評価の方法・基準
試験を3回行う。それぞれ30点、30点、40点とし、全体で100点として評価する。出席を重視し、出席三分の二以上を評価の条件とする。
履修上の留意点
講義では、いろいろな世界像や理論が示されるので、それら相互の類似点と相違点に注意すること。論理的な問題については、自分の手と頭を使って問題を解くように試みてほしい。
課題に対するフィードバックの方法
試験の一週間前に課題を出し、採点、添削の上返却する。
テキスト
必要に応じて、適宜CoursePower上で紹介する。
参考書
トーマス・クーン『科学革命の構造』(1971)みすず書房