北海商科大学 開発政策研究所
The Development Policy Research Institute

細野 昌和(北海商科大学教授)

m_hosono

■着地型観光というけれど

最近、着地型観光という言葉をよく耳にします。この言葉は本来業界用語で、旅行代理店は出発地で旅行の手配をするのが主な仕事ですが、到着地でも観光客対応を広げようというわけです。地元からすると当然のことのはずですが、地域の観光振興場面でも着地型観光が課題なのでしょうか。

■観光って何?

旅行業界では観光とは観光事業を指しますが、地域の観光振興の場合の観光とは観光行動のことです。同じ言葉が意味しているのに、事業と行動ではまったく別のことです。
観光振興では、地元での観光行動を盛んにして、その結果として経済や社会に好ましい効果が期待されるわけです。ところが多くの場合、地域は観光事業対応に追われ、観光行動をする人たち、つまり観光客への対応の大切さを忘れがちです。

■観光行動を喚起するには

地域が観光振興を進めるなら、観光客の立場になったマーケティングや、何が提供されているのか、どうするとそれが楽しめるのか、どこに問い合わせると良いのかという情報提供が不可欠です。ところが、普通の商品では当たり前のこうした消費者向け対策が、多くの地域の観光振興には欠けています。
観光行動とは移動しながら情報に接し享受する行動です。路地裏散歩も世界一周も観光行動です。そうした視点から、観光行動を支援し喚起させるマーケティングや情報発信はどうあるべきか、具体的に考えていきたいと思っています。

開発政策研究所

お知らせ