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2022年度
科目名 近代社会と倫理学B 科目コード 1119 単位数 3
担当者名 西本 優樹 開講セメスター 第2セメスター 開講年次 1年次
授業の方法 講義 到達目標 実務経験 無 
ナンバリング ※DP(ディプロマポリシー)と到達目標の関連性については、カリキュラムマップ(商学科観光産業学科)参照
授業のねらい
本講義では、まずカント倫理学と功利主義倫理学を押さえる。ついでヘーゲルの『法・権利の哲学』を検討し、近代社会が生み出す問題、とりわけ人間相互の分裂をヘーゲルがどのように克服しようとしたかを、ヘーゲルの家族・市民社会・国家論を中心に見る。次に、以上をふまえて、現在生成しつつある(規範的意味をもって語られる)グローバル市民社会における倫理的・道徳的諸問題を扱う。総じて、倫理学の時代的意味を理解する。
到達目標
基本的な倫理学説を理解し、これを基礎にして現代社会においてどのような倫理的問題が生じているかを理解する。以上を踏まえて、社会・経済状況あるいは科学・技術の発展が我々に突きつけてくる問題に、倫理学的観点からアプローチする志向を身につける。
授業内容
1週目 功利主義の倫理学(1)(ベンサムとミル)
2週目 功利主義の倫理学(2)(功利主義の問題点)
3週目 カント倫理学(1)(道徳法則・定言命法・仮言命法)
4週目 カント倫理学(2)(感性界・叡智界・目的の国)
5週目 功利主義の倫理学とカント倫理学の基本的な違い+試験
6週目 ヘーゲルの法哲学(1)(抽象的権利・道徳・人倫)
7週目 ヘーゲルの法哲学(2)(市民社会・欲求の体系)
8週目 ヘーゲルの法哲学(3)(福祉行政・市民社会の息子)
9週目 ヘーゲルの法哲学(4)(国家と市民社会と家族の関係)
10週目 ヘーゲル以後の展開+試験
11週目 戦後体制・戦後体制の変容
12週目 グローバル市民社会
13週目 正議論(ジョン・ロールズ)
14週目 将来世代に対する責任(ハンス・ヨナス)
15週目 遺伝子工学の問題(ユルゲン・ハーバーマス)+試験
16週目 まとめ・グローバルな倫理
準備学修(予習・復習)の具体的な内容及びそれに必要な時間
講義中に適宜参考文献を紹介するので、目を通して議論の背景を確認しておくことが望ましい。各回、約1時間の予習を要する。また講義後は、配布資料から授業ノートを整理し、取りあげた議論の論点を復習しておくこと。各回、約2時間の復習を要する。
成績評価の方法・基準
試験3回と平常点で評価する。試験は各15点、15点、40点、平常点は30点とする。ただし、オンライン授業となった場合、試験の回数・形式を変更する可能性がある。その場合は事前に通知する。
履修上の留意点
進行状況に応じて講義計画を変更する場合がある。各回の内容は相互に関連している。その都度関連を把握しながら検討を進めるので、学習した内容を随時復習して議論の流れを見失わないようにすること。
課題に対するフィードバックの方法
授業中に講評を行う。
テキスト
資料を配布する。適宜参考文献を紹介する。
参考書
参考文献は、順次授業で紹介する。