シラバス(詳細)

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2022年度
科目名 法社会の基礎(日本国憲法を含む) 科目コード 1182 単位数 2
担当者名 種田 健一郎 開講セメスター 第5セメスター 開講年次 3年次
授業の方法 講義 到達目標 実務経験 無 
ナンバリング ※DP(ディプロマポリシー)と到達目標の関連性については、カリキュラムマップ(商学科観光産業学科)参照
授業のねらい
Dancing With COVID-19 
皆さんは国家による行動制限(私権の制限)を実感されたと思います。さて、これら私権の制限は憲法と関連があります。また、近年、日本国憲法の改正も議論されています。
これらを視野に入れながら、講義では、具体的事例を通して日本国憲法、法や裁判の基本的知識や役割等を学習します(従って日々のニュースに関心を持って下さい)。
これらを通じ社会生活の中で起こる諸問題を憲法や法に基づいて自ら解明し、解決の道筋を提示できること、憲法改正議論について自身の意見を表明できることをねらいとしています。

到達目標
・法律、裁判に関心をもち、これらについて基礎的な知識をもつ。
・立憲主義的憲法の意味や役割、機能を理解し説明できる。
・日本国憲法における基本的人権の意味を理解し説明できる。
・現代社会における諸問題を憲法的視点から検討できる。
・憲法改正議論や、様々な法律問題について自己の考えをもち、検討できる。
授業内容
1週目 講義を始めるにあたって 〜履修上の注意や講義全体のIntroduction〜
【憲法とコロナ感染防止対策】
●人権制限と憲法の関係をコロナ特措法を題材に概観します。
2週目 【憲法とはどのような「法」か】●憲法の構造 ●基本的人権の構造
3週目 【精神的自由権(1)】●思想・良心/学問の自由など
4週目 【精神的自由権(2)】●表現の自由とその規制 ●Dis:SNS規制強化の是非
5週目 【憲法13条と新しい人権(プライバシーの権利など)】
●捜査機関がDNA型データベースを構築運用することは許されるか?
6週目 【社会権(1)】健康で文化的な最低限度の生活(生存権)
●難病・障害を持つ人や高齢者が要請した介護サービスの適切な程度(金額)を下回る、行政の支給決定は許される?
7週目 【社会権(2)】
●教育を受ける権利など
8週目 【差別と区別と憲法と】
○○国人は○○禁止(例えば入国や入学)の措置は許される?
9週目 【憲法訴訟論(1)】
●日本の裁判制度と諸原則 ●司法権の概観
10週目 憲法訴訟論(2)〜結局、人権が侵害された場合はどうなるのか〜
●日本の違憲審査制度 ●具体的な憲法裁判
11週目 【日本国憲法の統治のしくみ】 〜国会中継を見て絶望しないために〜
●国会・内閣の基礎知識 ●内閣による憲法「解釈」の変更は許される?
12週目 【憲法と選挙(制度)】〜国会中継を見て絶望した人のために〜
●インターネット選挙運動は許される? ●世代別選挙区制は許される?
13週目 【地方自治と憲法】(予定)
●地方自治の本旨の意味/●条例制定権の範囲
14週目 【平和主義】 
●平和憲法の歩み・集団的自衛権を考える ●Dis:憲法9条について
15週目 ●憲法改正の議論とその限界 ●期末試験
16週目 やむを得ず、15週目までの授業内容を実施出来なかった場合は、補講授業を行います。
準備学修(予習・復習)の具体的な内容及びそれに必要な時間
【予習】ウェブサイトに各回講義内容に関連する資料/課題をUPする。これらに取り組む(30m)
【復習】配布レジメや資料をノートにまとめる。課題が提示された場合はそれに取り組む(90m)
*ノート作成は、試験対策も兼ねているのです。かなりの情報量からピンポイントで正しい情報−つまり正答ですが−を探す作業は大変なものです。
*各回講義受講後に、Googleフォームを利用した「リアクションペーパー(RP)」を送信(任意)。記載内容は質問・感想など基本的に自由です。
成績評価の方法・基準
【評価方法―原則―】・原則として期末試験(100点)の一発勝負です。全ての配付資料等の参照を認めます。
【評価方法―例外―】・受講生の希望によっては、中間試験・レポート・その他を実施します。
・昨年度は受講生の希望により中間試験+期末試験+レポートを実施しました。というか、ここ数年は例外的評価方法が原則となりつつあります。
【評価基準】50点以上を合格とします。詳しくは講義で説明します。
履修上の留意点
【基本的な留意事項】
・講義では身近な社会問題を題材としてディスカッションする予定です。例えば、SNS上での名誉毀損など。積極的に発言されることを期待しています。
・講義内容については重要判例が出た場合や、受講生の興味関心により変更される場合があります(例えば、昨年度は札幌地裁で同性婚違憲判決)。
【コロナ対応講義】
・「Google Classroom」上でのリアル/オンデマンド配信の併用を予定しています(昨年度は全ての回を配信で行いました。また、講義アーカイブを講義期間中公開していました)。
・講義情報は、講義で利用する全てのプラットフォームで配信します(昨年度はGC,CP,Line等を利用しています)。
【対面講義】・講義情報発信は上記の方法をとります。講義もアーカイブする予定です。
課題に対するフィードバックの方法
定期試験・課題等のフィードバックはウェブサイト上で行います。
質問はいつでも対応します。重要な質問・意見に対する回答は講義中に行う予定です。質問等は講義で利用する全てのプラットフォームを利用して行うことができます。(昨年度は「Google Meet」を利用したオンラインオフィスアワーも実施。)一般的な回答は講義の実施形態にかかわらず、フィードバック動画を作成しUPします。詳しくは講義で説明します。
テキスト
特になし。
参考書
中村睦男編著『はじめての憲法学第3版』(三省堂)2600円、松本和彦『事例問題から考える憲法』(有斐閣)2200円