シラバス(詳細)

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2022年度
科目名 アジア比較文化論 科目コード 1169 単位数 2
担当者名 舛田 佳弘 開講セメスター 第5セメスター 開講年次 3年次
授業の方法 講義 到達目標 実務経験 無 
ナンバリング ※DP(ディプロマポリシー)と到達目標の関連性については、カリキュラムマップ(商学科観光産業学科)参照
授業のねらい
グローバル化が進む今の時代にあって、皆さんはそれぞれの社会が異なる理由を単純に「文化の違い」と片付けていませんか?しかし、その違いはなぜ生じたのでしょうか。過去に同じような出来事を経験してもその後の歴史が大きく異なる理由は何でしょうか。「文化」という言葉でわかったような気になっている事柄をもう一度考え直してみることで、一層理解が深まるはずです。
 本講義では経済学的な見方(ゲーム論含む)を中心に文化の発生や分岐を考えてみたいと思います。結論の妥当性は皆さん自身に判断してもらうしかありませんが、数学的論理の現実への応用は思考の幅を広げるものと期待できます。また、限られた範囲ですが生物学や社会学、人類学など関連する領域からの多面的な「文化」へのアプローチも適宜紹介します。
到達目標
 本講義ではアジアを中心に国内外の歴史や事例を経済学などの理論的背景とあわせて紹介します。「文化」を理論的に理解し、他者に自身の考えを説明できる力を身につけてもらいたいと思います。目安としては以下の通り。
・文化と何かを自分なりに説明できる
・ゲーム論やネットワーク論の基本的な考え方を理解している
・学術的な視点からアジアの「文化的」な差異を解釈できる
授業内容
1週目 ガイダンス:アジアの中の日本
2週目 文化とは何か―歴史、慣習、言語、宗教、芸術、…
3週目 文化と社会・経済との関係
4週目 社会のシステムと価値観の関連性
5週目 規範(ルール)の形成から文化へ
6週目 均衡としての文化―ゲーム理論からのアプローチ
7週目 適応過程としての文化―進化的アプローチ
8週目 「つながり」としての文化―ネットワーク論からのアプローチ他
9週目 歴史的事象から見る文化の形成・変化・伝播
10週目 グローバリゼーションと文化の変容
11週目 日中関係の歴史的変遷
12週目 日本の中の文化摩擦:「ひとつの日本」という幻影
13週目 アジアとのかかわり方を考える(1):政治的・地域的関係
14週目 アジアとのかかわり方を考える(2):地域貿易協定
15週目 アジアに新たな秩序は生じるか:政治経済学からのアプローチ及び期末試験
16週目 期末試験問題解説(但し、やむを得ず、15週目までの授業内容を実施できなかった場合は、補講授業を行う。)
準備学修(予習・復習)の具体的な内容及びそれに必要な時間
 毎回の授業では、理解しやすいようレジュメ(スライド資料など)を配布します。適宜講義後に小テストやレポートを提出してもらいます(3回に1回程度)。
 予習としては、講義終了時に次回のテーマを挙げますので、各人で関連する内容を調べて整理しておいて下さい。復習は講義資料に基づいてわからなかった語句や事例を自分で調べるようにしましょう。内容や各人の関心にもよりますが、予習・復習それぞれ三時間程度を目安として下さい。
成績評価の方法・基準
 講義後の小テスト及びレポート(コースパワーに提出)70%。学期末試験の成績30%。適宜(全体で4回程度)小テスト及び1000字ほどの小レポートを提出してもらいます。学期末テストは論述式を主とし、配布資料及び自筆ノートの持ち込み可(その分難易度は高めです)。なお、3分の2以上の出席が満たされない場合、受験は認められません。
履修上の留意点
 わからなかったところ、疑問を感じた部分はコースパワーを利用して積極的に質問するようにしてください(良い質問には加点します)。ただし、自分で調べればわかることや根拠のない持説、単なる感想などは評価の対象としません。
 期末試験は理解度を測る問題が中心になるので、配布した資料の内容を書き写すだけでは解答と認められません。講義中の説明をノートに取るなどして、できるだけ当日中に復習することを勧めます。
課題に対するフィードバックの方法
 小テストやレポートについてはコースパワー上で評価を掲示し、次回講義時に講評を行います。自分で書いた内容について良く考えておいてください。評価等詳細については個別に質問に来てもらえれば説明します。
 期末試験については試験後に解説を行いますが、個別の質問も受け付けます。
テキスト
特にありません。レジュメ(スライド資料など)を配布します。他に参考になる資料等は講義上で紹介します。
参考書
・加藤弘之『「曖昧な制度」としての中国型資本主義』NTT出版、2013年、2625円
・ロバート・サグデン『慣習と秩序の経済学』日本評論社、2008年、4400円
・青木昌彦/岡崎哲二/神取道宏『比較制度分析のフロンティア』NTT出版、2016年、4950円
他、適宜紹介しますが、皆さんからも提案があれば教えてください。