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2022年度
科目名 日本近代とアジアA 科目コード 1124 単位数 3
担当者名 舛田 佳弘 開講セメスター 第1セメスター 開講年次 1年次
授業の方法 講義 到達目標 実務経験 無 
ナンバリング ※DP(ディプロマポリシー)と到達目標の関連性については、カリキュラムマップ(商学科観光産業学科)参照
授業のねらい
 本講義は、高校の日本史よりも広く深い全体像として日本近現代史を捉えられるようになることを目的とします。そのために近代日本の成り立ちを理解する上で必要となる幾つかのテーマについて紹介し、現代へとつながる社会・経済的変遷について、通説とそれに対する疑問点を探っていきます。主に経済学的視点から話を進めますので、数学的表現も用いられますが、多くは義務教育の範囲内です。一部高校相当の内容も含まれますが、必要に応じて解説を加えます。
 最近は、歴史認識などをめぐる周辺アジア諸国との軋轢の報道に多く接する機会があると思われます。雑多な情報にまどわされずに、自分自身で考える力を養ってもらいたいと希望します。
到達目標
1.日本近現代史に関する基礎知識について理解する。
2.近現代の日本の発展を諸外国との関係の中で理解する。
3.経済学の基礎概念にもとづき、日本近現代史について論理的に把握し、説明することができる。
これらの目標を達成することで、国際社会における生活慣習や環境の相違に基づく多様な価値観や世界観の存在を理解できるようにする。
授業内容
1週目 ガイダンス―本講義の概要と受講に際しての諸注意
歴史と経済的発展
2週目 近世日本とその周辺の状況 
3週目 日清戦争以前の日本とアジア―近代化・工業化―
4週目 比較優位の原理と貿易の拡大
5週目 植民地交易と統治政策
6週目 日清戦争以後の日本とアジア―日露戦争と韓国併合―
7週目 明治期の日本経済―工業化と経済発展―
8週目 第一次世界大戦と日本―物価・国民経済―
9週目 戦間期の日本とアジア―国際通貨制度と金融危機―
10週目 戦間期から第二次大戦へ―変わる世界と日本の経済政策―

11週目 満洲事変と日中戦争
12週目 アジア・太平洋戦争と戦時統制経済
13週目 満州の植民地政策とアジア支配
14週目 終戦からの経済復興、そして冷戦体制へ
15週目 資本主義経済VS社会主義経済
期末試験
16週目 期末試験問題の解説(但し、やむを得ず、15週目までの授業内容を実施できなかった場合は、補講授業を行う。)
準備学修(予習・復習)の具体的な内容及びそれに必要な時間
 毎回の授業では、理解しやすいようレジュメ(スライド資料など)を配布します。適宜講義後に小テストやレポートを提出してもらいます(3回に1回程度)。
 予習としては、講義終了時に次回のテーマを挙げますので、各人で関連する内容を調べて整理しておいて下さい。復習は講義資料に基づいてわからなかった語句や事例を自分で調べるようにしましょう。内容や各人の関心にもよりますが、予習・復習それぞれ三時間程度を目安として下さい。
成績評価の方法・基準
 講義後の小テスト及びレポート(コースパワーに提出)70%。学期末試験の成績30%。適宜(全体で4回程度)小テスト及び1000字ほどの小レポートを提出してもらいます。学期末テストは論述式を主とし、配布資料及び自筆ノートの持ち込み可(その分難易度は高めです)。なお、3分の2以上の出席が満たされない場合、受験は認められません。
履修上の留意点
 わからなかったところ、疑問を感じた部分はコースパワーを利用して積極的に質問するようにしてください(良い質問には加点します)。ただし、自分で調べればわかることや根拠のない持説、単なる感想などは評価の対象としません。
 期末試験は理解度を測る問題が中心になるので、配布した資料の内容を書き写すだけでは解答と認められません。講義中の説明をノートに取るなどして、できるだけ当日中に復習することを勧めます。
課題に対するフィードバックの方法
 小テストやレポートについてはコースパワー上で評価を掲示し、次回講義時に講評を行います。自分で書いた内容について良く考えておいてください。評価等詳細については個別に質問に来てもらえれば説明します。
 期末試験については試験後に解説を行いますが、個別の質問も受け付けます。
テキスト
とくになし。参考資料を配布します。
参考書
・大野健一『途上国ニッポンの歩み』有斐閣、2005
・水島司、加藤博、久保亨、島田竜登 編『アジア経済史研究入門』名古屋大学出版会、2015
・三谷太一郎『日本の近代とは何であったか』岩波新書、2017年
このほか毎回の講義で内容に関連する文献を紹介します。