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2022年度
科目名 近代社会と倫理学A 科目コード 1118 単位数 3
担当者名 西本 優樹 開講セメスター 第1セメスター 開講年次 1年次
授業の方法 講義 到達目標 実務経験 無 
ナンバリング ※DP(ディプロマポリシー)と到達目標の関連性については、カリキュラムマップ(商学科観光産業学科)参照
授業のねらい
本講義では、近代社会の生成とその変容という歴史的事態を視野に収めながら、まずカント倫理学を取り上げ、時代の文脈の中でのカント倫理学・道徳哲学の意味を考えつつ、近代の市民的公共性についての意義を見る。ついで、1929年以後の世恐慌後の社会的動乱の中で生じた事態をアドルノ、アーレントといった哲学者がどのように理解したかを見る。最後に、商業・産業の発展の中で自然破壊が進行したが、この事態を背景として現代に生じた環境倫理学・生命倫理学を講述する。総じて、社会の変容と倫理学との間の深い関係性に焦点を当てる。
到達目標
近代社会の形成に伴って生じた基本的な倫理学説を理解し、これを基礎にして現代社会においてどのような倫理的問題が生じているかを理解するとともに、世界が突きつけてくる諸問題に倫理学的な視覚からアプローチする目を養う。
授業内容
1週目 近代の夜明け
2週目 市民的公共圏(ハーバーマスの議論)
3週目 カントの道徳哲学(1)(道徳法則と定言命法)
4週目 カントの道徳哲学(2)(英知界と感性界)
5週目 カントの道徳哲学と近代の市民的公共圏+試験
6週目 近代社会の変容(二つの世界大戦と戦後福祉国家)
7週目 近代への反省(フランクフルト学派と啓蒙の弁証法)
8週目 アーレントの人類の理念
9週目 討議倫理学(システムと生活世界)
10週目 全体主義(アーレントの議論)+試験
11週目 二次世界大戦後の世界
12週目 環境破壊・環境倫理学の登場
13週目 レオポールの土地倫理
14週目 生命中心主義の倫理学
15週目 人間と自然の関係+試験
16週目 まとめ 倫理とは何か
準備学修(予習・復習)の具体的な内容及びそれに必要な時間
講義中に適宜参考文献を紹介するので、目を通して議論の背景を確認しておくことが望ましい。各回、約1時間の予習を要する。また講義後は、配布資料から授業ノートを整理し、取りあげた議論の論点を復習しておくこと。各回、約2時間の復習を要する。
成績評価の方法・基準
試験3回と平常点で評価する。試験は各15点、15点、40点、平常点は30点とする。ただし、オンライン授業となった場合、試験の回数・形式を変更する可能性がある。その場合は事前に通知する。
履修上の留意点
進行状況に応じて講義計画を変更する場合がある。各回の内容は相互に関連している。その都度関連を把握しながら検討を進めるので、学習した内容を随時復習して議論の流れを見失わないようにすること。
課題に対するフィードバックの方法
授業中に講評を行う。
テキスト
資料を配布する。適宜参考文献を紹介する。
参考書
参考文献は、順次授業で紹介する。