シラバス(詳細)
2022年度 |
科目名 | 論理と思考B | 科目コード | 1117 | 単位数 | 3 |
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担当者名 | 麻生 尚志 | 開講セメスター | 第2セメスター | 開講年次 | 1年次 |
授業の方法 | 講義 | 到達目標 | 実務経験 | 無 | |
ナンバリング | ※DP(ディプロマポリシー)と到達目標の関連性については、カリキュラムマップ(商学科・観光産業学科)参照 |
- 授業のねらい
- すべての学問は哲学から始まりました。それが、17世紀の科学革命によって、物理学などの自然科学が哲学から独立していきました。科学の意味することや限界を探るのが科学哲学です。科学が誕生するに至った流れや、科学についての科学哲学の論争などを紹介していきたいと思います。それによって、私たちが正しいと信じているいわゆる「科学的知識」がどういった性格のものであり、どういった限界があるのかわかるようになります。そのことが「自分だけが正しい」という驕った態度への反省にもなりますし、また「知らない世界」や「知らない世界」について謙虚に対応するきっかけになります。
- 到達目標
- 歴史上、人々が自然について、ひいては世界についてどのように思考しその理論を作り上げてきたかを理解し、それを基礎に自分で世界について思考する基本的姿勢を身につけることを目標とします。論理的な問題については、実践的な問題解決能力を身につけ、コミュニケーションの一形態である議論・討議にとって基礎である論理的思考に習熟することを目標とします。
- 授業内容
- 1週目 日常的知識といわゆる科学的知識 科学にとって実在とは何か
2週目 科学的実在論と反実在論
3週目 存在論的コミットメント 経験主義の二つのドグマ
4週目 改訂可能性と全体論
5週目 自然化された認識論+試験
6週目 ヴィトゲンシュタイン『論理哲学論考』
7週目 論理実証主義
8週目 科学の線引き問題 ポパーの反証可能性
9週目 ヴィトゲンシュタインの言語ゲーム論
10週目 クーン『科学革命の構造』+試験
11週目 科学的知識は知識と看做せるか
12週目 分析哲学と現代論理学
13週目 現代論理学の基礎概念と論理的思考の訓練
14週目 数学基礎論の展開
15週目 人間はなにを知りうるか+試験
16週目 まとめ 論理的思考とはなにか 科学的思考とはなにか - 準備学修(予習・復習)の具体的な内容及びそれに必要な時間
- 毎回次回のおおまかな予告のプリントをお渡ししますので、専門用語などについて簡単に調べておいてください。(1時間半の予習)。また、講義後は、講義した内容について友達と議論をしたり、自分であれこれ「別のようにも考えられる」など熟考してください(1時間半の復習)。
- 成績評価の方法・基準
- 試験を3回行います。それぞれ30点、30点、40点とし、全体で100点として評価します。なお、出席を重視しますので、各試験までの出席が三分の二以上を評価の条件とします。
- 履修上の留意点
- 講義では、いろいろな世界像や理論が示されますから、それら相互の類似点と相違点、世界像と思考のあり方との結びつきに注意してください。記号論理の問題については、自分の手と頭を使って問題を解くようにしてください。講義中にも練習問題を出します。
- 課題に対するフィードバックの方法
- 試験を採点、添削の上返却します。
- テキスト
- テキストは用いません。適宜プリントをお配りします。
- 参考書
- トーマス・クーン『科学革命の構造』(みすず書房)1971年 3,080円、ウィトゲンシュタイン『論理哲学論考』(岩波文庫)2003年 858円