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2019年度

科目名	特殊講義Ⅰ（近代日本のアジア観）	科目コード	1582	単位数	2
担当者名	竹野　学	開講セメスター	第3セメスター	開講年次	2年次
授業の方法		到達目標		実務経験
ナンバリング		※DP（ディプロマポリシー）と到達目標の関連性については、カリキュラムマップ（商学科・観光産業学科）参照

授業のねらい: 　幕末の開港以来、日本は国際社会の一員として活動してきました。その日本の国際関係にとって大きな比重を占めていたアジアを日本人がどのように認識し、アジアとどのような関係を取り結んできたのかについて、近現代日本の代表的な知識人・言論人などの思想史を手がかりに理解するのが、本講義の目的です。
　「アジアの時代」と言われる現代において、今後私たちはアジアとどのような関係を取り結ぶべきかを考えるための判断材料として、先人たちの議論を読みとってください。
到達目標: １．日本におけるアジア認識に関する基本知識を理解する。
２．これまでの日本－アジア関係における問題点を発見する。
３．これからの日本－アジア関係のあるべき姿について考える能力を養う。
　これらの目標を達成することで、国際社会における生活慣習や環境の相違に基づく多様な価値観や世界観の存在を理解できるようにする。
授業内容: 1週目ガイダンス――映像資料の視聴（１）
2週目近代日本のアジア認識の２パターン――福沢諭吉と岡倉天心
3週目ナショナリストのアジア観――中江兆民と頭山満
4週目映像資料の視聴（２）＋中間レポート①
5週目アジア主義者の中国認識――杉山茂丸と内田良平
6週目社会主義者の中国認識――幸徳秋水と北一輝
7週目映像資料の視聴（３）＋中間レポート②
8週目「支那分割論」の諸相――内藤湖南と山路愛山
9週目アジアへの共感――宮崎滔天と吉野作造
10週目急進的自由主義者のアジア認識――三浦銕太郎と石橋湛山
11週目映像資料の視聴（４）＋中間レポート③
12週目植民地研究者のアジア認識――細川嘉六と矢内原忠雄
13週目東亜協同体論――尾崎秀実・三木清・西田幾多郎ほか
14週目映像資料の視聴（５）＋中間レポート④
15週目提出済みの中間レポートに基づいた全体内容に関する期末ディベート
16週目日本人のアジア認識まとめ＋レポート・ディベートへのフィードバック
準備学修（予習・復習）の具体的な内容及びそれに必要な時間: 　CoursePowerを利用して講義前に事前学習課題を指示します。まずはそれを予習として行ってください（所要時間1時間前後）。また、配布レジュメを読み返して適宜復習に努めることは当然ですが、本講義で取りあげる人物の多くは著作を残しており、講義中にはそれらを紹介します。それを手がかりに、彼らの著作を実際に読んで理解を深めてください。講義後にそれらに基づいた復習メモをCoursePowerにて提出してもらいます（所要時間1時間前後）。
　また、理解を深めるために映像資料の視聴を複数回行います。その都度それまでの講義内容に関する小レポートを課します。
成績評価の方法・基準: 　講義受講前にCoursePowerを利用して提出する予習復習課題（15％）、毎回の出席時に提出するリアクションペーパー（15％）、および映像資料視聴後に提出する4回の中間レポート（40％）と各自の提出レポートに基づいて行う期末のディベート（30%）で総合評価します。
　なお、単位取得の条件は開講回数の2／3以上の出席とし、それ以下の場合はレポート提出やディベート参加を認めません。また中間レポート未提出の場合も同様です。
履修上の留意点: 　講義内容の性格上、文献資料の読破が必要になります。本を読み、物を書くことを厭わずに頑張ってください。また、各回の講義内容がその次の回以降の内容の前提になっており、欠席すると講義全体の理解が困難になるので、欠席はしないようにしてください。休んでもどうにかなるような講義ではありませんので、履修の際はくれぐれもその点を留意すること。
　なお、講義中に私語をやめない人、筆記用具を持参していない人には退室を命じますので、注意してください。
　課題などに対するフィードバックはCoursePowerを用いて行います。
課題に対するフィードバックの方法
テキスト: ・並木頼寿『日本人のアジア認識（世界史リブレット66）』山川出版社、2008年
・毎回空欄補充式の補足レジュメを配布します。
参考書: ・竹内好『日本とアジア』ちくま学芸文庫、1993年
・松本健一『竹内好「日本のアジア主義」精読』岩波現代文庫、2000年
・坂野潤治『近代日本とアジア―─明治・思想の実像』ちくま学芸文庫、2013年
・中島岳志『アジア主義――西郷隆盛から石原莞爾へ』潮文庫、2017年