HINASとは

HINASとは

北海学園北東アジア研究交流センター(ハイナス)

HINAS:Hokkai Gakuen Institute for Northeast Asia Studies

  北海道は太平洋、日本海、オホーツク海に囲まれ、雄大で変化に富む山々、広大な湿原、美しい景観の天然の湖沼など豊かな自然に恵まれた地です。この北海道で本格的な開拓が始められたのは明治時代になってからです。その頃の札幌は昼なお暗き未開の新天地でした。森を開き、土地を耕し、虫害に脅えながら収穫の秋を迎えるまで、先人は多くの汗を流し、心を砕きました。1880年代に入ると移住者も急増し、農業や漁業のほか炭鉱の開発や製紙、製鉄などの工業も大きく発展しました。教育の面では、開拓間もない1876(明治9)年北海道大学の前身である札幌農学校が開校し、1885(明治18)年には北海学園の起源となる北海英語学校(のちの北海中学校の前進)が誕生しました。開拓者精神に育まれ、向学の志に燃えた北海道の青年の期待に応えるためでした。その後、大きな発展を遂げ、今や北海高等学校、北海学園札幌高等学校、北海学園大学・大学院、北海商科大学・大学院を擁する総合教育研究機関として発展しました。この間、多彩な人材を世に送り出し、現在では北海道の貴重な宝となっています。

  北海学園北東アジア研究交流センター(Hokkai Gakuen Institute for Northeast Asia Studies「略称HINAS」)は、1998(平成10)年に日中交流史上初めての中国元首である江沢民元国家主席が来日し、北海道を訪問されたことを記念して、それまで蓄積してきた北東アジア研究を広く活用する産学官共同の国際的な研究を推進するため、1999(平成11)年に北海学園の新しい研究機関として発足しました。ハイナスは発足時より、中国、韓国、台湾、香港などの北東アジア地域の研究機関とグローバルな視点から現代社会の動向、特に北東アジアの経済協力体制の構築や安全保障問題を重点に置いた特定の研究テーマに関する国際共同会議やセミナーを開催しています。特に、中国政府のシンクタンクである中国社会科学院とは学術研究の交流及び学術情報交換等に係る交流協定を締結しました。この協定締結に伴い、中国社会科学院は日本国内初の海外研究拠点、北海道研究交流センターをハイナスに隣接し、積極的に共同研究や学術交流を展開しています。また、国際共同会議や国際研究セミナーのほか、幅広く地域の住民を対象とした公開セミナーの開催、北海道の地域創生事業の実施、北海道創生研究会メンバーによるパネルディスカッションを含む北海道創生プログラム講座を北海商科大学学生のために開設、さらには研究成果報告書の刊行を行うなど多彩なプロジェクトを行っています。

  北海学園北東アジア研究交流センターの研究交流活動はすでに22年を超え、さらに未来に向けた活動に取り組んでおります。そしてこれからも、北東アジア地域の更なる発展と平和に寄与することが期待されています。